「実家を空き家にすることになったけど、何をしておけばいいのか分からない」
親が施設に入ったり、住み替えたりすることで、これまで家族が暮らしてきた実家を空き家にすることがあります。
この際に、「ひとまずそのままにしておけばいい」と考えがちですが、空き家は人が住んでいたときとは違い、換気や掃除、庭の手入れなどが行われなくなることで、少しずつ状態が変わっていきます。
だからこそ、空き家にする前に、あらかじめやっておきたいことがあります。
この記事では、実家を空き家にする前に確認しておきたい7つのことを、放置した場合のリスクとあわせて紹介します。
すべてを完璧にやる必要はありません。まずは「何を確認しておけばいいのか」を知るところから始めてみてください。
【この記事で分かること】
- 実家を空き家にする前にやるべき7つのこと
- 空き家を放置すると起こりやすいトラブル
- 空き家にした後も続く管理について
【実体験】誰も使わなくなった家は、想像以上に早く変わっていく
私自身、以前に一時的にある空き家を借りた経験があります。
もともとは「倉庫代わりに使わせてもらおう」という軽い気持ちだったのですが、いざ中へ入ってみると、そこには想像もしなかった「怖さ」がありました。
電気もガスも通っていない室内は、昼間でもどんよりと暗く、静まり返っています。一歩進むたびに、床が部分的にミシミシと沈み込んだり、頼りなくしなったりする感覚がありました。
「何かが潜んでいるのではないか」
「壁の裏で虫や害獣が動いているのではないか」
そんな不安が常に拭えず、結局、ほとんど活用できないままお返しすることになりました。
この経験から、人が住まなくなった家は、住んでいた頃とは少しずつ違った状態になっていくのだと実感しました。
だからこそ、実家を空き家にすることになったら、「そのままにしておく」のではなく、事前に確認しておきたいことがあります。
実家を空き家にする前にやっておきたい7つのこと
空き家にする前には、家の中だけでなく、ライフラインや外回り、その後の管理まで考えておく必要があります。
リスクを抑えるために最低限やっておきたい対策を具体的に解説します。
① 貴重品・危険物を持ち出す|実家に残さないものを確認
実家を空き家にするなら、貴重品や危険物など、家に残しておかないものを確認しておきましょう。
- 貴重品(通帳・印鑑・現金・貴金属など)
空き家になると、人の出入りが減るため、防犯面ではどうしても弱くなります。
通帳や印鑑、現金などの貴重品は、空き家に残さず、自分たちで管理できる場所へ持ち出しておくと安心です。 - 危険物(ガソリン・カセットボンベ・灯油・スプレー缶など)
使う予定のない燃料や危険物も、そのまま残さないようにしましょう。
中身を使い切る、自治体のルールに従って処分するなど、それぞれ適切な方法で整理しておくことが大切です。
「いつか使うかも」という思いがよぎりますが、「自分の手元にない限り、いつ紛失や劣化が起きてもおかしくない」という意識が、後々の大きなトラブルを防いでくれます。
② 電気・水道をどうするか決める|止める前に確認したいこと
ライフラインは「止めてしまえば安心」というわけではありません。
その後も家の様子を見に行くのか、どのくらいの頻度で管理できるのかによって判断が変わります。
- 電気
長期間誰も住まないのであれば、通電させておく必要があるのか確認しておきましょう。
通電したままにしておく場合は、使わない家電のコンセントを抜くなど、火災などのリスクを減らすことも大切です。 - 水道
水道は、止めてしまえば水漏れのリスクを抑えられますが、一方で、長期間水を使わないことによるリスクもあります。
水が使われないことで、排水口の「封水(排水トラップにたまっている水)」が蒸発し、下水の臭いや害虫が室内に入り込む原因になります。
定期的に通水(水を流すこと)ができる環境なら水道は契約を続け、難しい場合は専門的な封水対策を検討するなど、状況に合わせた判断が重要です。
電気や水道を止めることだけを目的にするのではなく、「空き家にしたあと、誰がどのくらいの頻度で家を見に行くのか」まで考えて決めることが大切です。
③ ガスの閉栓手続きをする|空き家にする前に済ませておく
ガスに関しては、空き家にする前に、契約しているガス会社へ連絡して使用中止(閉栓)の手続きをしておきましょう。
人が住まなくなった家では、ガス機器や配管などに万が一のトラブルがあっても、すぐに気づくことができません。空き家にするタイミングでガスの使用を止めておくことで、こうしたリスクを減らせます。
- やること
契約しているガス会社へ連絡し、ガスの使用中止(閉栓)を申し込みます。 - 確認しておきたいこと
閉栓作業の方法や立ち会いの必要性は、ガスメーターの場所などによって異なります。
閉栓を申し込む際に、いつ・どのような方法で閉栓されるのか確認しておくと安心です。
ガスの使用を再開する予定がないのであれば、空き家にする前に手続きを済ませておきましょう。
なお、閉栓までの料金や契約終了の扱いなどはガス会社によって異なるため、契約先に確認してください。
④ 害虫・害獣が入り込まないようにする|家の中を最終チェック
人がいなくなると、家は外の生き物にとって「静かで安全な隠れ家」に見えてしまいます。
大切な実家を荒らされないために、まずは入り口をしっかり閉ざすことが肝心です。
- やること
窓や換気口などに隙間がないかチェックし、食べ物や生ゴミは残さないようにします。
押し入れや物置なども、害虫や害獣が入り込んだ形跡がないか確認しておきましょう。 - 理由
人の気配がなくなると、小さな隙間からネズミなどが入り込みやすくなるからです。一度入り込まれると、長く居座られてしまう恐れがあります。 - 放置のリスク
フンや尿による汚れや臭いが発生すると、後から片付ける際の負担が大きくなります。場合によっては、害虫・害獣の駆除や清掃が必要になることもあります。
「完璧に防ぎ切る」のは難しいかもしれませんが、空き家にする前に「入り込むきっかけをできるだけ減らしておく」ことが大切です。
⑤ 空き家に見えにくくする|外観と郵便物を確認
家の外から見たときに、長期間手入れされていないことが分かる状態は、防犯面でも好ましくありません。空き家にする前に、外から見た状態も確認しておきましょう。
- 外観を確認する
雨戸やカーテンなどは、防犯面や家の状況に合わせて適切な状態にしておきます。
家の周囲から見て、不自然に放置されているような状態になっていないか確認しておくと安心です。 - 郵便物を管理する
ポストに郵便物やチラシが溜まっていると、長期間人が来ていないことが外から分かりやすくなります。
郵便局の転居・転送サービスを利用するなど、郵便物が溜まらないようにしておきましょう。
空き家にする前に、外から見ても放置されているような状態になっていないか確認しておきましょう。
⑥ 庭・外回りを整える|放置された印象を残さない
空き家になると、庭や家の周りも手入れする人がいなくなります。特に草木は思っている以上に早く伸びるため、空き家にする前に今後の手入れについて考えておきましょう。
- やること
草刈りや枝の剪定を行い、必要に応じて防草シートを設置するなど、できるだけ手入れの負担を減らしておきます。 - 理由
庭の草木が伸びてくると、見た目が悪くなるだけでなく、害虫が発生しやすくなったり、隣家や道路にはみ出したりすることがあります。 - 放置のリスク
庭が荒れた状態になると、近隣から苦情が入るきっかけになることもあります。空き家にした後も誰が庭を管理するのか、あらかじめ決めておくことが大切です。
実家の庭木を放置すると、実際にどんな変化が起こるのか。私の実家で起きたミカンの木の変化を、こちらの記事で紹介しています。
→実家の庭木を放置するとどうなる?空き家になった庭で起きたミカンの木の変化
⑦ 誰が管理するのか決める|空き家にした後の管理方法
最後に考えておきたいのが、「空き家にした後、誰が管理するのか」ということです。
空き家の維持には、継続的な作業が欠かせません。
- 定期的な見回りや換気、通水
- 庭の手入れ
- 台風や大雨のあとの被害確認
自分たちで管理する場合は、こうした作業を無理なく続けられるか考えておきましょう。特に実家から遠い場所に住んでいる場合は、移動時間や交通費も負担になります。
最初はできそうに思えても、仕事や自分の生活と両立しながら、何度も実家へ通い続けるのは簡単ではありません。
空き家にする前に、誰が、どのくらいの頻度で管理するのかを家族で決めておきましょう。
まとめ|空き家にした後も、管理は続いていく
実家を空き家にする際は、家の中の整理やライフライン、庭や外回りなど、事前に確認しておきたいことがいくつもあります。
でも、空き家にする前に一度対応すれば、それで終わりではありません。
空き家にした後も、定期的な見回りや換気、庭の手入れ、建物の状態確認など、管理は続いていきます。
空き家は「管理されていない」と見られた瞬間に、状況が一気に悪化することがあります。
実際に私の近所でも、管理されていない空き家がありました。最初は小さなゴミが投げ込まれている程度でしたが、次第に廃タイヤが増え、最終的にはボヤ騒ぎまで起きてしまいました。
誰が見回りに行くのか、庭の手入れはどうするのか。遠方に住んでいる家族がいる場合は、どこまでなら無理なく関われるのか。
実家を空き家にすることが決まったら、その後の管理をどうするのかまで、家族で話し合っておくことが大切です。
大切な実家だからこそ、空き家にする前に「これからどう管理していくか」を家族で決めておきましょう。
【こちらの記事も、あわせてどうぞ】
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