実家の庭じまい、自分でやる前に。親子で話しておきたい「これから」のこと

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年齢を重ねるにつれて管理が大変になっていく自宅の庭を見て、「自分でできるうちに庭じまいをしておこう」と考えてはいませんか。

でも、実際に作業を始める前に、一度立ち止まって考えてみてほしいことがあります。それは、家族は本当に庭じまいを望んでいるのか、そして自分たちだけで安全にできるのか、ということです。

我が家でも、父がひとりで庭じまいを始めました。結果的に庭は綺麗になりましたが、家族にとっては少し悲しい結果になってしまったのです。

今回はその経験から、自分で庭じまいを始める前に考えておいてほしいことをお伝えします。

【この記事で分かること】

  • 実家の庭じまいで、家族の意見が食い違ってしまう原因
  • 庭じまいを始める前に、家族で話しておきたいこと
  • 自分で庭じまいをする前に確認したい5つのこと
  • 庭じまいを通して、家族で考えておきたいこれからのこと
目次

【実体験】父が突然、庭じまいを始めた

私の実家には、昔ながらの大きな庭があります。

家の前には松の木があり、大きな庭石も置かれています。車を何台か停められるスペースがあり、家の裏には、家庭菜園をしていた畑もあります。

土地の広い田舎でよく見かけるような、昔ながらの一般的な庭です。

昔は家族みんなで暮らしていたので、それだけの庭があっても、それほど負担には感じなかったのだと思います。

でも、家族の人数が減り、親も年齢を重ねてくると、庭を維持すること自体が少しずつ大変になってきます。

そんな中で、父があるとき、庭じまいを始めました。

自分が庭を管理できなくなったら、息子に負担をかけることになる

そんなことを考えて、まだ自分が動けるうちに整理しておこうと思ったようです。

父は1週間の有給休暇を使い、重機なども使いながら、大掛かりに庭を整理しました。

作業を終えた庭は以前よりずっとすっきりして管理もしやすくなり、父にとっては、将来の負担を減らすための良い庭じまいになったはずです。

ところが、家族の受け止め方は少し違いました。

庭はきれいになった。でも、家族にとっては少し悲しい結果になった

庭が整理されたあと、祖母がこんなことを言いました。

何にもなくなってしまった。
寂しいし、殺風景だね

この言葉が、私はずっと印象に残っています。

もともとこの庭は、亡くなった祖父が手掛けて作り、大切にしていた庭でした。そこには祖父との思い出も残っていたのだと思います。

一方で、父には「息子に迷惑をかけたくない」という思いがありました。

父は父なりに家族のことを考えて庭じまいをしたのであり、祖母には祖母なりに大切にしているものがあったのです。

どちらが正しいという話ではありません。

同じ家族でも、状況や立場によって大切にしているものや、これから残したいと思うものは違います。

庭はきれいになり、管理もしやすくなりました。それでも、その結果、家族の中に悲しむ人がいるのであれば、それを庭じまいの成功とは言えないのではないか。

私は、この経験からそう感じました。

なぜ、こんなことが起きたのか

今回のことで問題だったのは、父の行動そのものというより、庭をどうするのかを家族で十分に話し合わないまま進めてしまったことだと思っています。

我が家で起きたことを整理すると、原因は大きく3つありました。

  • 「子どものために」と考える気持ちが強かった

    父は、将来息子に負担をかけたくないという責任感から、庭じまいを進めました。その気持ち自体はありがたいものです。

    ただ、私も長男として、将来的に実家や親のことに関わっていくつもりです。庭の剪定くらいなら、私にもできることがあります。

    だからこそ、「息子に負担をかけたくない」と思ってくれていたのであれば、庭じまいを始める前に、一度私に相談してほしかったと思います。
  • 庭を残したい人への配慮が足りなかった

    祖母にとっての庭は、亡くなった祖父との思い出が残る大切な場所でした。

    庭を整理することによって、思い出まで失ったように感じる人がいる。そこまで考えられていませんでした。
  • 庭じまいの構想を共有しなかった

    自分で庭じまいをする人は、行動力があって、実際に自分で作業できてしまう人なのだと思います。

    だからこそ、「こうすれば管理しやすくなる」と考え始めると、そのまま一気に進めてしまうことがあります。

    父も、庭をどう整理するかという考えはあっても、その構想を家族と十分に共有していませんでした。そこを共有しないまま作業を進めたことが、今回のすれ違いにつながったのだと思います。

庭じまいは、作業そのものだけを見れば成功していたのかもしれません。

でも、家族の気持ちやこれからのことまで考えると、少し違った結果になったのではないかと思います。

だから私は、庭じまいを自分で始める前に、まず家族で話しておくことが大切だったと感じています。

庭じまいを始める前に、家族で話しておきたいこと

では、実際に庭じまいを考えたとき、家族で何を話しておけばいいのでしょうか。

我が家の経験から考えると、少なくとも次のことは確認しておきたいと思います。

  • そもそも、庭じまいをしてもいいのか

    「管理が大変だから整理したい」と思っていても、ほかの家族は「できるだけ残してほしい」と考えているかもしれません。

    まずは、庭じまいをすること自体について、それぞれの考えを確認します。
  • どこまで整理するのか

    庭木や庭石など、すべてをなくす必要はありません。

    「これは残したい」というものがないか確認して、残すものと整理するものを決めておきます。
  • 庭をこれから誰が管理するのか

    今は親が管理していても、将来はどうするのか。子どもが管理するのか、業者に頼むのか、それとも家や土地を含めて手放すことも考えるのか。

    すぐに答えを出す必要はありませんが、方向性だけでも話しておくと、庭じまいのやり方は変わってきます。

大切なのは、家族全員の意見を完全に一致させることではないと思います。

それぞれがどう考えているのかを知ったうえで、「じゃあ、ここは残そう」「ここまでは整理しよう」と決めていく。

それだけでも、我が家とは違った庭じまいができたのではないかと思います。

自分で庭じまいをする前に確認したい5つのこと

家族で話し合って、庭じまいをする方向になったら、次は「本当に自分たちでできるのか」を考えます。

庭の状態によっては、思っている以上に大掛かりな作業になることがあります。

自分で始める前に、次の5つを確認しておきましょう。

① 必要な労働力

庭の広さや整理するものの量によって、必要な人手は大きく変わります。

自分ひとりでできるのか、ほかに手を借りられる人はいるのか。手伝ってもらえるとして、どのくらいの作業をお願いできそうなのか。

実際の作業量と、確保できる人手をよく見合わせたうえで、無理のない計画を立てることが大切です。

② どれくらい時間がかかるのか

庭じまいでは、木を切ったり庭石を動かしたりすることもあるでしょう。

切った枝をまとめたり、不要になったものを運んだり、最後に処分したりと、実際に作業を始めるとやることは次々に出てきます。

父の場合も、1週間の有給を使って大掛かりな庭じまいを行いました。

予定している作業だけで時間を考えるのではなく、思ったより時間がかかることも見込んで、余裕を持った計画を立てておきましょう。

無理な計画は、怪我や事故の元になります。

③ どれくらい費用がかかるのか

自分で作業する場合でも、道具や資材、処分費などが必要になることがあります。

防草シートや砂利を使う場合もありますし、大量の枝木や庭石を処分するなら、その費用も考えなければなりません。

我が家の場合は、材料費や処分費に加えて、トラックやユンボのレンタル代なども含め、庭じまいにかかった費用は約50万円だったそうです。

もちろん、庭の広さや整理するものによって費用は大きく変わります。

「自分でやるから安い」と決めつけず、必要になりそうな費用を一度計算しておくと安心です。

④ 整理したものをどう処分するのか

庭じまいでは、作業そのものよりも、その後の処分に困ることがあります。

枝木や草、土、庭石など、整理するものによって処分方法が違う場合があります。

父も庭じまいを始める前に、出た庭石を処分できるところを探し、あらかじめ電話で受け入れてもらえるか確認していました。

また、カーポートを分解した際に出たアルミは、業者に買い取ってもらっていました。

「とりあえず片付けてから考える」のではなく、何が出るのか、それをどこで処分できるのか、買い取ってもらえるものはないかまで、事前に確認しておきましょう。

⑤ 安全にできるのか

そして、何よりも大切なのが安全性です。

庭木の伐採や高い場所での作業、大きな庭石を動かす作業などは、思わぬ事故につながる可能性があります。

自分でできるかどうかを考えるときは、「やれるか」ではなく「安全にやれるか」を基準にしてください。

少しでも危険を感じる作業なら、無理をしないでください。

自分で難しいなら、業者に頼むことも考えていい

ここまで確認して、「これは自分たちだけでは難しい」と感じたのであれば、無理に自分で庭じまいをする必要はありません。

特に、危険を伴う作業は専門業者に相談したほうが安心です。

自分たちでできるところは自分たちでやり、難しいところだけ業者に頼む。これも賢い選択肢だと思います。

大切なのは、「自分で最後までやり切ること」ではなく、家族が納得できる形で、安全に終わらせることです。

実家の片付けについても、自分たちでやるか業者に頼むか迷ったときの判断基準を、こちらの記事でまとめています。
→ 実家の片付け、業者に頼むべき?自分たちでやるか迷ったときの判断基準

まとめ:庭じまいは「自分でやる」より、先に考えることがある

実家の庭を管理するのが大変になり、「自分でできるうちに庭じまいをしよう」と考えることは自然なことです。

ただ、我が家の経験からすると、作業を始める前に家族で話し合っておきたいことがあります。

  • 本当に庭じまいをしていいのか
  • どこまで整理するのか
  • 残したいものはないか
  • これから誰が庭を管理するのか
  • 家や土地を、この先どうしていきたいのか

そのうえで、自分たちでできるのかを考えます。

まずは労働力や時間、費用、処分方法を確認し、何よりも安全にできるのかを判断する。そのうえで難しい作業があれば、無理をせず業者に頼ってもいいと思います。

父は「息子に迷惑をかけたくない」という思いから庭じまいをしてくれましたし、その気持ちは息子の私にとってもありがたいものでした。

だからこそ、実家の庭じまいを自分で始める前に、一度家族でこれからのことを話しておくこと。

それが、我が家の庭じまいを見て私が一番伝えたいことです。

庭を整えることと一緒に、家族のこれからも整えていけたら。それが、いちばん良い庭じまいなのかもしれません。

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この記事を書いた人【たつみち】
実家の片付けをきっかけに、家族がすれ違う難しさを身近で感じてきました。「和やかに、安心して」片付けを進められるように、子世代の視点から必要な情報をお届けします。
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